私がやりたいことは、結局、映画『ショコラ』のようなことなのです。
「人生が変わるチョコレート」とは、当店のチョコレートのブランド名です(商標登録済)。そもそも、チョコレートが人生を変えるなどということが、ありうるのでしょうか?
1.映画『ショコラ』について
『ショコラ』という映画があります(2000年)。主人公でショコラティエ役のジュリエット・ビノシュ、そして、流れ者役ジョニー・デップ、その他ヴィクトワール・ディヴィソル、キャリー=アン・モス、レナ・オリン、ジュディ・デディンチなど豪華俳優陣が出演していた映画で、ご覧になった方も多いでしょう。
映画の中では、古いしきたりに捕らわれた南フランスの村人たちが、村に引っ越してきたショコラティエ(ジュリエット・ビノシュ)と、彼女の作るチョコレートと出会うことをきっかけに、人間らしく、自分らしく変化していく姿があたたかく描かれています。
カカオは、古代マヤ文明の時代から、「人の心のカギを開き、その運命を解き放つ」力を持つと言われてきました。「神々の食べ物」と呼ばれてきたカカオには、人の心に作用するような不思議な力があるのでしょう。私自身の人生も変わりました。”人生が変わるチョコレート”、という名称は、チョコレートを通じて、お客様の生に何かお役に立ちたいという想いを込めて名付けたものです。
2.総体としてのカカオの持つ力
当店は、カカオの持つ、人生に作用するような不思議な力を、ローチョコレートとしてお客様に届けたいと考えています。そして、カカオそのものが総体として持つ力、エネルギー、波動といったものが大切なのであり、カカオが含有する様々な成分に着目するような態度は、要素還元主義の一種と思われるため、距離を取りたいと考えています。カカオやチョコレートは「栄養成分を運ぶサプリメント(錠剤)」ではないのです。
カカオの持つ不思議な力を紹介した最近の書籍として、デイビッド・ウォルフ著『スーパーフード』※(日本語版2015年、株式会社医道の日本社)では、以下のように記されています。
「神聖な心臓 カカオは他のどの食品よりも心臓と精神を支えていると言えるでしょう。アステカ人はカカオをしばしば「yollotl ezti(心臓の血液)」と呼んでいました。カカオは健康的な心血管系をサポートし、心を開かせて、(頭を使いすぎる代わりに)感情を自然な状態に戻すでしょう。・・・」
そして、カカオの成分について、人間の精神に作用する物質として、以下が紹介されています。このうち、フェニルエチルアミン(PEA)やトリプトファンは加熱処理によって損なわれてしまうそうです。
・フェニルエチルアミン(PEA)・・・「恋に落ちた時に体内で生成される主要な化学物質」
・アナンダマイド・・・「至福の化学物質」
・トリプトファン・・・気分を高める、セロトニン生成
・セロトニン・・・ストレス抑制、気分向上
・カフェイン・・・コーヒーの20分の1
・テオブロミン・・・カフェインと似ているが、血糖値を上昇させない、抗菌、心臓の働きを助ける。
心臓をサポートする成分が含まれていることと、カカオが太古の昔から「人の心を開く力がある」とされてきたことに、少なからず関係があるのでしょう。こういった情報は知識として持っておくことは必要と思いますが、当店としては、あくまで、総体としてのカカオの素晴らしさを伝えていきたいと考えています(そして、同様のことは他の食物についても言えると考えています)。
※ 原題 David Wolfe『Superfoods: The Food and Medicine of the Future』(2009, North Atlantic Books)